おかあさんのお話

ただいま大阪の阪急うめだ本店11階ベビーズコレクション内にてポップアップストア開催中です。

ベビーカーをゆっくり押しながらや、抱っこひもで抱えながら

「このお洋服、○○ちゃんに似合うかしらねぇ」

とお子さんの顔を覗き込んで語り掛けているお母さんたちの表情をよく目にします。誰かに見られているからとかではなく、そこに純粋にわが子を愛おしむ柔らかなまなざしがあり、胸をうたれてしまいました。

それはふと今年のお正月に亡くなった母のことを思い出したからです。

今の売り場の隣におもちゃコーナーからのイベントで動物の絵本が展示販売しております。

亡き母もよく絵本を読んでくれました。

私の絵本の記憶は3,4歳ぐらいから。

とてもよく覚えているのはいわさきちひろさんの絵の『ねむりひめ』と、ABCブックの『ヒアワーサものがたり』

特にヒアワーサものがたりは母の語りを一言一句暗記して語るほど好きなお話でした。

ネイティブアメリカンの少年ヒアワーサが神の使いのモンダミンと戦って勝つと村が救われる話なのですが、モンダミンは戦いで死に、その墓から彼の金色の髪の毛のようなトウモロコシになったというお話です。(こう書いてみるとまんま、旧約聖書の「ヤコブの梯子」と同じですね(笑))

私の母はよく言えばおおらか、まあ、おおざっぱな人柄だったのですが、電話の交換士の仕事をしていたので声はとても綺麗でした。

生前はものすごく仲の良い親子とはいいがたかったのですが、それでも母というものは、お洋服でも絵本でも赤ちゃんのために、こんなにも心を込めて吟味して与えているのだなぁと客観的な気付きをいただきました。

そういう愛の形のひとつとしてより丁寧な美しい服を作っていこうと襟を正す思いでした。

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